会長挨拶
会長 小嶋 俊久
国立病院機構名古屋医療センター 副院長 整形外科医長
第55回日本リウマチの外科学会を、2026年9月11日・12日の2日間、名古屋駅直結という交通至便なウインクあいちにて開催できますことを、大変光栄に存じます。全国から多くの先生方をこの名古屋の地にお迎えできることを、心より楽しみにしております。
本学会のテーマは
「再建!―積み上げる新しい技術と視点―」
といたしました。
関節リウマチ治療は、分子標的治療薬の進歩とTreat to Target戦略の定着により、疾患活動性の制御という点では大きな成果を上げてきました。一方で、長期罹病例や高齢化、合併症を背景に、機能障害や構造破綻を抱える患者さんが今なお存在していることも、私たちは日常診療の中で実感しています。
このような時代背景の中で、リウマチの外科は何を目指すべきなのか。
単なる「手術の技術」ではなく、失われた機能を再び立ち上げ、生活を再建する医療として、その存在意義をあらためて問い直す時期に来ているのではないでしょうか。本学会では、人工関節置換術や各種再建手術といった確立された技術を確実な基盤としつつ、新しい視点、工夫、内科治療との連携、多職種協働を通じて、リウマチ外科そのものをもう一度「立て直す」ことを目指したいと考えています。
名古屋城の石垣は、大小さまざまな石を丹念に積み上げることで、長い年月を経てもなおその姿を保っています。一つひとつの石は決して派手ではありませんが、それぞれが役割を持ち、全体として強固な構造を形作っています。リウマチの外科も同様に、確実な一歩一歩の積み重ねによって支えられてきました。新しい技術や発想もまた、これまで積み上げられてきた知識と経験の上にこそ意味を持つものと考えます。
「再建」とは、一度で完成するものではありません。臨床の現場での工夫、検証、議論を通じて、確実な一歩を踏み出し、それを積み上げていく営みそのものです。そして、その積み重ねは、次の世代への知識と経験の継承へとつながっていきます。若い医師や次代を担う医療者が、リウマチの外科に希望と魅力を感じ、自らの石をこの石垣に加えていけるような学会にしたい——その思いを本テーマに込めました。
本学会が、これまで築かれてきたリウマチ外科の礎を見つめ直し、未来へ向けた新たな一段を積み上げる場となることを願っております。名古屋の地で、皆さまと活発な議論を交わせることを心より楽しみにしております。