会頭挨拶
この度、2024年8月30日(金)・31日(土)の2日間にわたり、第32回日本発汗学会総会を愛知県名古屋市のウインクあいちにて、現地開催させていただくことになりました。全国から参加者の皆様に有意義な学会になるよう準備を進めております。
第32回日本発汗学会総会のテーマは「発汗学を極める~汗は味方?悪者?~」としました。人間の進化の過程で発汗というものはとても重要です。発汗機能を獲得したことにより、体温を上昇することなく長距離の移動ができるようになりました。また熱に弱い脳を汗で冷やすことができ、脳の容量が1000ml前後まで大きくなり、知恵を得ることができました。しかし、現代では「汗で体がベタベタするのが嫌だ」、「汗臭い」、「汗じみができる」など汗は悪者扱いされていることが多くなり、運動を避け、一日中冷房がきいている部屋で過ごすといったように、なるべく汗をかかないような環境になってきています。私も最近、多汗症と無汗症の患者を交互に診察していると、汗は人間にとって味方なのか?悪者なのか?と思うことが多くあります。発汗学に興味がある多くの方が集まるこの学会で、汗、特に発汗について活発な発表、意見交換をしていただきたく、このようなテーマにいたしました。特別講演、シンポジウムでは様々な分野の汗のエキスパートの先生方をお招きし、皆様方にはさらに汗専門医(汗マニア)になって頂きたいと思っております。近年、手掌・腋窩多汗症治療薬が保険診療で処方できるようになり、多汗症治療のup dateができるセミナーも準備してまいります。
私は2002年に米子市で開催された第10回日本発汗学会総会に初めて参加しました。脳神経内科、皮膚科、生理学、理工学、病理学、呼吸器外科といった多種多様な専門家の先生方が熱く汗について討論されていた姿を今も思い出します。昨年と引き続き、現地開催になります、蒸し暑い8月の名古屋でも当時のように皆様方が汗について熱い討論ができ、特に若い研究者の先生達にも汗に興味を持って頂けるような総会にしたいと思っております。
愛知県には、ひつまぶし、台湾ラーメン、味噌カツ、手羽先といった名古屋めしに加え、空、九平次といった美味しい日本酒もあります。今回は親睦を深めていただくために8月30日(金)夜に懇親会も予定しております。是非、多数の先生方のご参加をお待ちしております。
最後に、本大会の開催にあたり、ご支援賜りました先生方、企業の皆様に心より御礼申し上げます。
第32回日本発汗学会総会 会頭 大嶋雄一郎 愛知医科大学皮膚科学講座 特任教授 |