会長挨拶
会長:佐々木 学 (大阪大学大学院医学系研究科脳神経外科学/阪和記念病院脊椎脊髄外科) |
この度、第13回日本低侵襲・内視鏡脊髄神経外科学会を主催させていただくこととなりました大阪大学大学院医学系研究科脳神経外科学/阪和記念病院脊椎脊髄外科の佐々木学です。今回の学術集会は、大阪大学吹田キャンパス内にて開催し大阪大学脳神経外科の関連施設も含めたスパイングループメンバーで企画・実行致します。テーマは「真の低侵襲の追求」、サブタイトルを「病態に応じた術式の選択」と致しました。私もこれまで低侵襲手術に取り組んで参りましたが、時に低侵襲にこだわるあまり手術操作が困難に感じる事もあり、その都度反省を重ね現在に至っております。そんな経験から、「真の低侵襲」とは安全かつ確実に手術の目的を達成する必要かつ最小限の侵襲である、と考えるに至りました。個々の症例の病態によって手術のゴールは多少なりとも異なりますので、目指すべき低侵襲の程度にも差が生じるはずです。身体への侵襲と目的遂行の確実性・安全性のバランスを考えた上で「低侵襲」を追求する議論を行いたく思いますので、ぜひこの1年で下記のような発表の元となる臨床データの収集をお願い致します。
低侵襲手術を行う先生方はこれまで多くの問題に直面しながらその都度工夫され、安全性と確実性を担保しつつ侵襲を低くする努力を重ねられてきたと思います。今回の学術集会では、単に侵襲の低さを競うのではなく安全かつ確実に手術の目的を達成するための具体的な工夫やその経緯についての発表をお願い致します。さらに現在克服できていない課題についての発表も歓迎致します。解決すべき問題点を共有することは、今後の研究の足がかりになると確信しております。
前回の古閑会長のお考えに賛同し、今回も貴重な症例報告を募集致します。特に低侵襲で対応困難であった症例や術中トラブルからのリカバリーショットなど、教訓的な症例を参加者全員で共有させて頂きたいです。
私個人といたしましては従来の顕微鏡下手術も十分に低侵襲であると考えております。顕微鏡下手術をより低侵襲にする工夫やその手術成績など、本学会ではこれまでに少なかった議論についての発表もお願い致します。
今回の学術集会では十分な議論が行えるスケジュールでプログラムを企画致します。大阪らしく多くのツッコミが入るような熱いディスカッションをお願い致します。7月下旬の大阪は猛暑ですので、ぜひノーネクタイ、ノージャケットの軽装でお越し下さい。多数の先生方のご参加を心よりお待ちしております。