会長挨拶
第15回日本臨床栄養代謝学会中部支部学術集会 会長 加藤明彦 浜松医科大学医学部附属病院 血液浄化療法部 病院教授同 栄養部 部長 |
このたび、第15回日本臨床栄養代謝学会中部支部学術集会を、2021年8月21日(土曜日)にWEB開催させていただきます。2020年1月より日本静脈経腸栄養学会から日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)へ名称が変更し、同時に東海支部(愛知、静岡、岐阜、三重)と北陸支部(石川、富山、福井)が一つになって中部支部が誕生しました。2020年7月4日には、岐阜赤十字病院の高橋裕司先生を会長として、岐阜市で第14回中部支部学術集会が開催される予定でしたが、COVID-19の感染拡大のため、残念ながら中止となりました。
第15回中部支部学術集会は、2020年12月に中部支部会に長野県が加わってからの初めての学術集会となります。中部圏は病院のNST組織率が高く、栄養代謝の取り組みも熱心な地域であり、多くの会員(約3,500名)が所属しています。今回、記念すべき学術集会を仰せつかり、大変に光栄であるとともに、その重責を痛感しております。浜松医科大学の関係者だけでなく、学会本部ならびに静岡栄養・代謝の集いの会員の皆様にもご協力いただき、鋭意、準備を進めてまいります。
第15回中部支部学術集会のテーマは、「臨床栄養代謝学の進歩と未来―中部からの新しい風―」とさせていただきました。現在、さまざまな領域において、医学的エビデンスに基づいた診療ガイドラインが刊行され、食事・栄養領域について標準化が図られています。その一方で、超高齢多死社会を迎え、食事・栄養管理が必要な患者さんのほとんどが高齢者であり、個別化対応が必要とされます。さらに食事・栄養療法の目標も、医療者視点からみた検査値の改善や生存期間の延長だけでなく、患者さんにとって価値あるwell-being(身体的、精神的、社会的に良好な状態にあること)がより重要と考える時代を迎えています。新たに中部支部会がスタートした今、こうした「標準化と個別化」、「医療者と患者さんの視点のズレ」をふまえ、これからの食事・栄養療法を考えるきっかけにしていただければと想い、本テーマとさせていただきました。
今回は初めてのWEB開催となります。特別講演には滋賀医科大学の佐々木雅也先生をお呼びし、教育講演は中部圏の4名の先生にお話しいただく予定です。是非、本ホームページをご覧になっていただき、多数の演題を応募いただくとともに、学術集会へ参加いただきますよう、お願い申し上げます。