会長挨拶
日本栄養治療学会東北支部 第10回支部学術集会
会長 宮田 剛 (岩手県立中央病院 院長/消化器外科) |
この度、2024年9月28日(土)に盛岡市民文化ホール(マリオス)において開催されます日本栄養治療学会東北支部 第10回支部学術集会の当番学会長を務めることになりました岩手県立中央病院の宮田剛と申します。
栄養が重要でないという医療者はいない!と言い切りたいと思いますが、近年、臨床栄養に関する注目はより一層高まっています。現在、日本栄養治療学会(JSPEN)の多職種からなる会員数も2万数千人を数え、日本最大の栄養関連学会であるだけでなく、実は世界の栄養関連学会の中でも最大級の会員数を有していることが我が国での注目度を物語っています。このJSPENの東北支部会員が一同に会し、臨床栄養学に関する知識の交換、情報提携されることに大変ワクワクしています。
思えば古来より語られてきた病人に対する栄養は、1970年代の中心静脈栄養の普及あたりから現代の議論が加速してきました。高カロリー輸液の効果に驚きつつもその課題も見えると、次には経腸栄養、胃瘻に爆発的なシフトが起こり、その後、その適応の反省から、今度は経口摂取、摂食嚥下の課題などに議論が移ってきました。栄養成分の議論だけでなく、日常生活の回復に必要なリハビリテーションの重要性、生体内で介在する腸内細菌と栄養の関連性などにも注目が集まっています。時代背景として長寿化、高齢化などに応じた課題は尽きることはありませんが、この学会の議論の成果として解決、発展してきたことも多々あるのではないでしょうか。
今回の学術集会に関しては、特定のテーマを決めず、日ごろの臨床の場で皆さんが問題意識を持たれたそれぞれの題材に関する検討結果を存分に発表していただきたく思います。栄養診断・評価と治療的介入、栄養成分の検討、NST(栄養サポートチーム)活動の工夫等なんでも結構です。頂いた抄録を整理して有意義な意見交換ができるように工夫したいと思います。臨床研究だけでなく、症例報告も大歓迎です。丁寧に考察をされた症例報告ほど、多くの医療スタッフに役立つことはありません。
特に聞いて良かったと思える優秀演題は表彰させていただく事も考えております。是非、チャレンジしてください。では盛岡の地で皆さんと意見交換をし、有意義な‘栄養まみれ’の一日になることを楽しみにお待ちしております。