会長挨拶

第50回日本小児神経外科学会
会長 岩間 亨

(岐阜大学大学院医学系研究科 脳神経科学講座脳神経外科学分野)

このたび、第50回日本小児神経外科学会を2022年6月10日(金)、11日(土)の2日間、岐阜市の長良川国際会議場において開催させていただきます。伝統ある本学会の記念すべき第50回の会長を務めさせていただくことを教室員一同、大変光栄に存じております。

岐阜での開催は1978年の第6回(坂田一記教授)、1993年の第21回(山田 弘教授)に続いて3度目、実に29年ぶりとなります。この間に日本の社会は大きく変わりました。1997年に日本は年少人口が高齢者人口よりも少ない「少子社会」となり、総人口は2004年の1億2784万人をピークとして翌2005年より自然減少に転じ、現在も少子化、高齢化、人口減少が進行し続けています。

小児神経外科は脳神経外科の重要なサブスペシャリティの一つですが、先天奇形や水頭症、小児脳腫瘍などの小児神経外科医療は、各地のこども病院や大学病院など、比較的限られた一部の病院がその中核を担ってきました。一方で、小児の頭部外傷や脳血管障害は救急疾患であり、小児を専門としない一般の脳神経外科医であっても適切な対応が求められる領域です。少子高齢・人口減少社会、さらには人口の地域偏在の波が来ると予想され、医療の各分野でも均霑化と集約化の議論がされているところですが、日本における小児神経外科医療は今後どのような方向に向かうのでしょうか?その様な観点から、今回のテーマを「小児神経外科医療の課題と展望〜50年の節目に考える〜」とさせていただきました。小児神経外科における様々な課題を議論し、将来を展望する機会になればと考えています。

人生50年と言われた時代から、今や人生100年という時代を迎えようとしています。当然ながら、小児疾患の治療においては長期成績を見ずしてその良否を語ることはできないだろうと思います。現時点における各疾患の課題を長期成績からみるとともに、今世紀に入って急速に発展しつつある遺伝子診断やゲノム情報に基づいた個別化医療、新規治療薬や神経内視鏡などの医療機器の発展によってもたらされるこれからの小児神経外科治療にも目を向けたいと思っています。

6月初旬はその頂きに岐阜城を抱く金華山が新緑で彩られ、清流長良川の水面が光輝く、風薫る季節です。昨年来の新型コロナウイルス感染症は未だ終息に至っておりませんが、2022年の初夏には皆様を岐阜の地にお迎えすることができるようになることを心より願っております。

2021年6月 金華山を望む岐阜市柳戸にて
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