
会長挨拶
会長 伊藤 宣
(倉敷中央病院整形外科)

この度、2026年3月13日(金)~3月14日(土)の二日間、京都テルサにおいて第38回日本肘関節学会学術集会を開催させていただきます。
京都大学整形外科同門による本学術集会は、2004年本学会が研究会から学会になった初回の第16回大会を、中村孝志前京都大学整形外科教授がぱるるプラザ京都で開催してから、22年ぶり二回目になります。開催にあたり、私共に学会開催の機会をお与えいただきました本学会会員の皆様、関係者のみなさまに心より感謝申し上げますとともに、その責任を深く感じているところです。
本学会は、肘関節のみに特化した世界でも類をみない学会です。肘関節だけに絞って、解剖、バイオメカニクス、画像診断、疾病の発症メカニズムと予防、さまざまな診断方法、そしてスタンダードな治療法から先進的な手術方法まで、「肘関節」を丸ごと堪能できる学会です。今回も、野球肘、terrible triad injuryをはじめとするさまざまな外傷、上腕骨外上顆炎、関節リウマチや変形性関節症などの慢性関節症、人工肘関節や人工橈骨頭などを主要なテーマとして、肘関節の「common disease」から難治性病態までを丸ごと議論していいただきます。そしてその診断から治療までを一歩前に進めるべく、学会テーマを「put your best elbow forward ―最高の肘関節を求めてー」とさせていただきました。この言葉はもともと「put your best foot forward」という英語の言い回しを、肘関節になぞらえて変形したものとなります。いいときも悪いときも、どんな困難なときも、自分のもっている最高の方法をもって肘関節の疾患にあたっていこうというメッセージをこめたものになります。英語のテーマはあまりなじみがないかもしれませんが、その意を汲んでいただき、ぜひみなさまに活発な議論をしていただければと思います。
3月中旬の京都はまだ肌寒いと思いますが、少しずつ暖かくなってくるころかと存じます。予想では、学会初日の3月13日に、ちょうど高台寺の夜間拝観が始まります。桜の花見には少し早いかと思いますが、この機会に久しぶりの本学会京都開催を楽しんでいただければと思っております。京都大学整形外科同門一同、誠意をこめておもてなしをしたいと思っておりますので、どうかご参加のほど、よろしくお願いいたします。