会長挨拶

第15回日本低侵襲・内視鏡脊髄神経外科学会
会長 西村泰彦
医療法人西村会 和歌山向陽病院 副理事長 脳神経外科 脊椎脊髄外科センター
会長

第15回日本低侵襲・内視鏡脊髄神経外科学会の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。

本学会は2011年に脳神経外科領域の脊椎内視鏡を事故なく安全に、かつ患者様に最大の利益効果を与えられるべく活動することを目的に、日本脊髄外科学会でまだ黎明期にあった脊椎内視鏡に興味をもつ脊髄外科医が、現理事長の水野順一先生を中心に集まる研究会として発足しました。第1回大会は2011年12月18日に東京都内で小さな会議室1室で行われ、演題数12題、参加者13名でした。その後、低侵襲分野も加わり脳神経外科の低侵襲手術と内視鏡手術の成果を報告・検討し、意見と情報を交換する場として発展してまいりました。2021年第11回大会以降は、研究会から日本低侵襲・内視鏡脊髄神経外科学会となることが出来ております。これまでの発展に寄与いただいた先輩方、そして現在も発足時からご尽力いただいている同志の皆様に心より感謝いたしまして、今回の大会に臨みたいと思います。

当方が今回お世話をさせていただくにあたり、用意いたしました学会テーマは「低侵襲・内視鏡手術の新しい澪標を求めて」にさせていただきました。「澪標」といいますのは、今回学会が開催される大阪市の大阪湾夢洲沖に江戸時代、まだ灯火や電気の灯台が無かった頃、船の航行安全の為に海上の道しるべとして設置された、木製の標識のことです。大阪市の市標になっておりますので、今回参加されました際に市内で見かけられることも多いと思われます。近年、低侵襲においてはBody balanceを鑑みた様々な固定術、内視鏡においてはUBEや外視鏡といった、新しい概念の鏡体が導入されています。このような新しい選択肢にたいして、柔軟性を失わず、確実な手技を獲得してゆくための「澪標」をこの学会が持たなければならない使命と考えテーマとさせていただきました。今回は、整形外科とペインクリニックの先生方にも多数参加していただき、アスリートに対する低侵襲手術、ブロックを含めた痛みに対する低侵襲手術のセッションを設けました。ご参加いただく先生方にとって有意義な知識と技術の交換の場となるように、最善を尽くし準備いたしますので、多くの先生方のご参加を心よりお待ち申しております。