会長 鳥山 和宏
名古屋市立大学 形成外科
日本形成手術手技学会の会員の皆さま
この度は、第30回日本形成外科手術手技学会の開催を迎えるにあたり、皆さまに心より感謝申し上げます。今回のテーマ「場を作ろう!」には、術者が手術を最適に行える環境を整えるという意味が込められています。これは第27回のテーマ「層を極める」に続く、手術の基本を追求するテーマ1つです。また副題にした「難しい場をやさしくする」とは、例えば血管吻合の前に吻合しやすくする場(環境)を整え血管吻合自体をやさしくするという考えです。本学会の主旨である、手術のアイデアと工夫を持ち寄り議論する「場」を創出できればと考えております。
特別講演として、形成外科学会パイオニアのお一人で御年90歳を超える冨士森良輔先生に、熱傷後のケロイドや瘢痕拘縮の克服、特に顔面自由縁の修復についての貴重なご経験をお話しいただく予定です。この講演で、手ごわい「顔面自由縁の瘢痕拘縮」をやさしく治療する方法を学びたく存じます。また、名古屋市立大学病院で睡眠センターを立ち上げられた中山明峰先生には「Good sleep, Good life!」というテーマで、忙しい形成外科医の生活の質を高める方法についてご講演いただきます。予め睡眠について、ご質問がある先生はどうぞ事務局までメールをください。
また、過去30年間の抄録集の表紙パネルを展示し、本学会の歴史を振り返ることで、内視鏡研究会から始まり、ロボット手術を見据えた斬新な手術手技の学会へと進化した私たちの「ストーリー」を共有します。
学会のポスターは、形成外科の手技を具現化した「手術道具」をフィーチャーしたものです。形成外科医が愛用する「手術道具」に関するシンポジウムを始めてとして、ビデオ演題を中心にプログラムを組む予定です。また、ARポスターを通じて、日ごろ忙しい形成外科医を助けるかわいいキャラクターを紹介し、これに関連するセミナーをご用意しております。
会場はウインクあいちで、名古屋駅から徒歩5分の距離にあります。名古屋駅周辺はリニア開設に向けて大きく変わろうとしており、学会参加と合わせて名古屋の街をお楽しみいただければと思います。
最後に、シェークスピアの言葉を引用します。「この世は舞台、人はみな役者。」と申します。私どもが手術手技学会という舞台を準備します。皆さま、是非役者としてご参加いただき、本学会を盛り上げていただけますようお願い申し上げます。