会長挨拶
第46回日本嚥下医学会総会ならびに学術講演会 会長 藤本 保志 (愛知医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座) |
この度、第46回日本嚥下医学会会長を拝命いたしました。伝統ある本学会を担当する機会を賜り、兵頭政光前理事長、梅﨑俊郎理事長、ならびに会員の皆様に心より御礼を申し上げます。令和5年3月3日(金曜日)3月4日(土曜日)の両日に名古屋市において開催予定としております。新型コロナウイルス感染症の蔓延が予想外に遷延し、令和2年初頭からの感染拡大がまる2年を経た令和4年3月現在、未だ収束の兆しをみせておりません。学会・研究会の有りようも大きく影響されました。中止、縮小、WEB開催、ハイブリッド開催と開催形態も様々になりましたが、我々が諸先輩がたから教わり、仲間らと切磋琢磨してきた“討論”、“生の意見交換”、メールでは伝わらない“コツを得る場”をなんとか造りたいと祈りを込めて、本学会のテーマは“嚥下について熱く語ろう”といたしました。
小生が初めて参加した日本嚥下研究会(1996松山、森敏裕会長)では1つの会場で、10分発表20分討論でありました。その晩に輪状咽頭筋切除術のコツを教わった“場”のことは今でも鮮明に思い出せます。この学会らしい、活発な意見交換、診療科や職種の枠を越えた議論を再現したく、特別企画を中心とした会場と、一般演題を中心とした会場の2つに絞る予定です。エキスパートが多くのデータや臨床経験をベースに討論できるシンポジウムは大変貴重ですが、今回その多くを公募とする予定です。頭頸部癌、神経難病、サルコペニアなど多彩な対象疾患があり、機能評価、手術、訓練など多様な方策を持つ嚥下医学をどのように深めていけるかが学会の目標です。そのために皆様のご指導と積極的な参加を是非是非御願いいたします。
本学会はかつて嚥下エキスパートの集まりの様相も濃く、先輩方の討論と考察は世界をリードしてきましたが、深いけれども外からみると狭い世界の印象だったかもしれません。超高齢社会を迎え、社会的なニーズの高まりもあり、関連職種、関連診療科が広がってきました。嚥下医学の普及と実践を目指して、特別企画や教育企画については後日のオンデマンド配信を予定します。腰を据えてご自宅での復習や、自由な時間での受講を実現します。また、ポストコングレスセミナーでは取り付きやすさとわかりやすさを追求する予定です。
会場での熱い語りあいとともに、会場周りでも懇親を深められる世界が戻ってきていることを祈念しつつ、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
令和4年4月吉日
第46回日本嚥下医学会会長 藤本保志