会長挨拶
第41回日本運動器移植・再生医学研究会 会長 渡辺 雅彦 (東海大学医学部外科学系整形外科学 教授) |
この度、2022年10月1日(土)に横浜シンポジアにおいて、第41回日本運動器移植・再生医学研究会を開催させていただきます.伝統あるこの研究会を私ども東海大学が担当させていただけることを大変光栄に存じております.本学では2006年に持田讓治名誉教授が東京で主催させて頂き、16年ぶりに担当させていただくことになります.
本会のテーマは「運動器再生医療 サイエンスが拓く健康寿命の延伸」とさせていただきました.超高齢化社会を迎えた我が国では健康寿命の延伸、多くの方が介護の手を借りること無く、豊かな、明るい、楽しい老後生活を少しでも長く営むこと、切に望まれています.そのために克服すべき問題として、メタボリックシンドローム、認知症、そして運動器の障害によるロコモーティブシンドロームがあります.この問題点を早くから認識した整形外科先人達は運動器再生医療に着目し基礎研究を行い、トランスレーショナルリサーチへ歩を進めてきました.本研究会は1980年に「骨・軟部移植研究会」として発足し、「骨・関節・軟部組織移植研究会」、「日本骨・関節・軟部組織移植研究会」を経て、2001年から「日本運動器移植・再生医学研究会」となり現在に至っています.この40年間の積み上げたサイエンスにより、同種骨移植は一般的な治療となり、軟骨再生医療も実用化が拡がっています.また、脊髄再生医療も薬物療法に加えていくつかの細胞移植療法が実用段階に入っています.また、筋肉、靱帯、末梢神経、これらの移植・再生医療にも飛躍的進歩が見られます.運動器再生医療による健康寿命の延伸はまさに「dreams come true」一歩手前の状態です.しかしながら、本当のdreamを迎えるには、まだまだ分からない事、克服すべき事が山積していることも事実です.本研究会が、この「dreams come true」を少しでも促進できる実り多いものとなることを祈念いたしております.皆様のご協力を何卒よろしくお願いいたします.