会長挨拶

この度は2022年11月26日(土)~27日(日)の2日間にわたり、第26回日本ワクチン学会学術集会を香川県高松市で開催する運びとなりました。ご存知のとおり本学会は、基礎研究分野、臨床応用分野、疫学分野、行政分野、製造・開発分野などに属する多様なメンバーから構成される学際的学会という特徴を持ちます。このような背景のもと、第20回の武下文彦先生以来6年ぶりに、企業に所属する者が学術集会の大会長を仰せつかることになりました。ワクチン製造・開発分野の視点を大切にしつつ幅広く深い内容になるようにプログラム委員の先生方のご意見を伺いながら、プログラム構成を検討しております。
さて、今回の学術集会のテーマを「日本発世界初のワクチン開発を目指して」といたしました。このテーマは、我が恩師である山西弘一先生(大阪大学名誉教授、現阪大微研会理事長)のお言葉を拝借したものではありますが、私の胸に深く刻まれ、私自身の言葉のようになっています。山西先生の恩師であり我が恩師でもある高橋理明先生(大阪大学名誉教授、元阪大微研会理事)が開発した水痘ワクチンのように、世界に認められるワクチンを再び日本から創りだそうという想いを込めたテーマです。
また、サブテーマを「踏み出そう、次の四半世紀(ステージ)へ」としました。1997年に第1回の学術集会が開催されてから、はや四半世紀が過ぎようとしており、この間に我が国の予防接種を取り巻く状況は大きく変化しました。たとえば、ワクチンの混合化は進み、定期接種の対象となるワクチンの種類は増え、いわゆるワクチンギャップのうち薬事承認面では解消に向かって動きました。また、多くの方々のご尽力の成果として、麻疹排除国としての認定を受けるに至りました。しかしその反面、マウス脳由来日本脳炎ワクチンの積極的な接種勧奨の差し控え、HPVワクチンの接種勧奨の一時中止、MRワクチン5期の接種率の低迷などといった儘ならない状況がありました。特にSARS-CoV-2ワクチンについては、海外で研究開発が先行していた新たなモダリティ(mRNAワクチンやウイルスベクターワクチンなど)が利用されたこともあって、残念ながら日本は開発の初期段階から世界に遅れを取っており、開発・生産面でのワクチンギャップが露呈されたという現状があります。
これを受けて2021年6月にワクチン開発・生産体制強化戦略が閣議決定され、我が国においてワクチン開発・生産を滞らせた全ての要因を明らかにし、解決に向けて国を挙げて取り組むことが宣言されました。学際的学会であるという特徴を持つ本学会が、長期継続的に取り組まれるこの国家戦略に対して与えていく影響は大きなものになると考えます。ワクチン開発においては、基礎研究から応用研究、更には大規模検証試験の実施や生産体制の整備に至るまで数多くの課題が存在します。また緊急時には実現可能な合理的承認基準を設ける必要もあります。積極的にこれらの課題解決に参画し、次の世代の人材を育て、近い将来に日本発世界初のワクチンを創出することが、本学会に所属する私たち個人に求められている使命だと考えます。皆様とともに第26回の学術集会を次の四半世紀に向けて踏み出す第一歩にしたいと思います。
集合形式だけでなくWEB形式も活用する学術集会となる可能性が高いと推測していますが、可能な限り集合形式を主体にしたいと考えております。お互いの顔を見ながら活発な討論ができるよう感染防止対策の面から最善を尽くす所存ですので、多数の演題登録やご参加を頂くとともに、是非とも高松までお越し頂きますようお願い申し上げます。
第26回日本ワクチン学会学術集会
会長 五味 康行
事務局:一般財団法人 阪大微生物病研究会 ワクチン推進部門 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘3番1号
運営事務局:株式会社 オフィス・テイクワン 〒451-0075 名古屋市西区康生通2-26 TEL:052-508-8510 FAX:052-508-8540 E-mail:jsvac26@cs-oto.com