会長挨拶
第12回日本成人脊柱変形学会 会 長 山田 宏 (和歌山県立医科大学医学部 整形外科学講座) |
このたび、2022年3月5 日(土)、ホテルアバローム紀の国(和歌山市)にて第12回日本成人脊柱変形学会を、開催させていただくことになりました。日本成人脊柱変形学会は、首下がりや腰曲がりなど、成人脊柱変形疾患の成因、病態、治療についての医学的研究を促進することを目的に作られています。
今回は、華岡青洲の医療理念であり、人生哲学でもあった「内外合一・活物窮理」を学会のテーマとさせていただきました。青洲は、江戸時代、全世界に先駆けて全身麻酔下手術を成功させた「医聖」の名で尊敬される、紀州・和歌山が世界に誇る偉人です。内外合一とは、「外科を行うには、内科、すなわち患者さんの全身状態を詳しく診察して、十分に把握した上で治療すべきである」という意味です。活物窮理とは、「治療の対象は生きた人間であり、それぞれが異なる特質を持っている。そのため、人を治療するのであれば、人体についての基本理論を熟知した上で、深く観察して患者自身やその病の特質を究めなければならない」という教えです。
青洲の教えに従い、成人脊柱変形を究められるようなシンポジウムのほか、特別講演などさまざまなプログラムを予定しています。そして、成人脊柱変形に対する正しい知識と情報を広く提供するとともに、様々な視点から議論し、参加者の皆様と共に新たな未来を切り開いていきたいと考えています。
「空青し山青し海青し」と詠われた和歌山は、美しい大自然に恵まれて、いにしえの時代から人々が集う蘇りの地としても有名です。超多忙な日常に忙殺されて心身とも疲れ切っている医療関係者の皆様にとって、ご自身をリフレッシュするための良い機会、最適の訪問地であろうかと存じます。
我らが故郷、和歌山で学会を開催させていただくことを心から感謝いたします。講座スタッフ、同門一同、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。