ご挨拶

第60回日本小児腎臓病学会学術集会
会長 池住 洋平
藤田医科大学 医学部 小児科学

皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

このたび、第60回日本小児腎臓病学会学術集会を2025年5月22日(木)~24日(土)の3日間、愛知県名古屋市の「ウインクあいち」にて開催させて頂くことになりました。

私が生まれた年(1967年)に第1回の学術集会が開催され、複数回開催された年もあったようですが、今回が実に第60回を迎えます。このような伝統ある学術集会の会長として、ご高名な大先輩方とともに年次学術集会記録の一頁に名前を連ねさせて頂くことを大変光栄に感じております。

ようやく新型コロナ以前のように人々が集まる学会が開催されるようになり、また海外からも多くの人々が来日するようになりました。日本小児腎臓病学会(JSPN)も、国際小児腎臓病学会(IPNA)やヨーロッパ小児腎臓病学会(ESPN)をはじめとする各学会との積極的な国際交流が進んでいます。しかしながら、世界の他方に目を向けますと、紛争による人道危機やグローバルシステムが機能しないといった深刻な問題が私たちを取り巻いています。新型コロナ感染症の猛威に続き起きているこのような世界情勢を背景に、留学を意識し海外に視野を広げる若い医師や研究者が大変少なくなりました。最近の国内の状況を見ても、物価上昇による生活不安などが相まって、収入の安定しない基礎研究に携わることを避ける傾向がますます強くなってきたように思います。

そこで、私自身がかつてそうであったように、「何でも良いから研究をしてみたい」「とにかく海外へ留学したい」と、後先考えず未知への挑戦を夢見る若手医師・研究者を増やしたいという思いから、今回の学術集会のテーマを『育み:小児腎臓病学の未来を築く次世代のフィジシャン・サイエンティストたちへ』としました。

国内外の留学を終えたばかりの先生方や、これまで臨床と研究という二刀流を実現してこられた先生方に登壇いただき、研究の醍醐味や海外留学の魅力を伝えていただきたいと考えております。そして、一人でも多くの若い先生方に「二刀流に挑戦したい」と思っていただける学会にしたいと、鋭意準備を進めております。さらに、今回もESPNとのジョイントセッションを開催予定でありますので、海外留学を考えておられる先生方に留学先を探す足掛かりとなる場となれば幸いです。

会場の「ウインクあいち」は、全国からアクセスしやすい名古屋駅のすぐ近くにあります。全国から多くの先生方のご来場を心よりお待ち申し上げております。

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