
ご挨拶
第41回日本脊髄外科学会および第17回アジアスパインの合同開催にあたり、ご挨拶申し上げます。
日本脊髄外科学会は1986年に「脳神経外科医が脊椎脊髄疾患について討議する全国的な研究会」として始まり、現在までに「脳神経外科診療における脊椎脊髄外科領域を代表する学会」として発展してまいりました。日本脳神経外科学会の認定分科会の一つとして、脊椎脊髄疾患に関する学術活動だけでなく、国内外の関連学会・団体との連携協力を進めています。脊椎脊髄疾患の外科領域では、脳神経外科と整形外科の2つの基本領域が競合しながらも、国内だけでなく国際的にも協調・融合が進んでいます。脳神経外科の強みは、神経解剖学・神経生理学などの神経学を基礎とし、筋・骨格全体との調和を考え、精緻で安全な脊椎脊髄手術を実践することだろうと思います。
今回の学会テーマは「困難への挑戦と解決策」とさせていただきました。日本脊髄外科学会の誕生から40年が経過し、標準的医療の共有、手術安全性の向上、さらには手術低侵襲化が徐々に確立されてきました。しかし、脊髄外科の医療および学術レベルのさらなる向上のためには、依然として多くの解決すべき課題があります。また、アジアスパインとの合同開催ですので、国際的視野に基づく課題についても議論する必要があります。一つ一つの課題を丁寧に検証し、最善の解決策を探す不断の努力が求められます。本学会では、脊髄外科に取り組む脳神経外科医が日々の研究成果を発表し、そして最新の手術機器・技術を学ぶ情報交換の場としても活用いただきたいと願っています。
最後になりましたが、大阪医科薬科大学脳神経外科教室の教室員・同門の先生方と力を合わせて知恵を絞り、学会役員の先生方からご指導を仰ぎながら、参加者の皆さんにとって有益となる学術集会を目指したいと思います。本学会の設立理念をしっかりと体現すると同時に、日本脊髄外科学会およびアジアスパインのさらなる発展についても責任を果たしたいと思います。多くの先生方のご参加を心よりお待ちしております。

The 17th Annual Meeting of Asia Spine
会長
髙見 俊宏(大阪医科薬科大学 脳神経外科学)
副会長
川西 昌浩(武田総合病院 脳神経外科)
学術プログラム委員長(日本脊髄外科学会担当)
横山 邦生(武田総合病院 脳神経外科)
学術プログラム委員長(アジアスパイン担当)
池田 直廉(武田総合病院 脳神経外科)
事務局長
福村 匡央(大阪医科薬科大学 脳神経外科学)